1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 19:12:59 ID:4ilsllU40
式「ん……知らないのか?」
鮮花「何それ……何かの略称?」
式「……おかしいな。トウコの奴、お前に訊けば分かるって言ったのに」
鮮花「……橙子さんが?」
鮮花(わたしになら分かる事って……何だろう……?)
式「ま……知らないなら良いや。ヘンな事訊いて悪かったな」
鮮花「ちょっと……待ちなさい。あんた、橙子さんと何の話したの?」
式「……」
鮮花「詳しく話してよ。そもそも、その”BL”ってなんなの?」
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 19:13:44 ID:w/3gDeWC0
あざかぁぁぁぁぁ
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 19:16:12 ID:8dxKxjh60
ホモとBLの違いってなんだろう
支援
50: 大義私 ◆aWfrM7UWWY 2013/03/23 21:59:03 ID:TUDB+of50
>>4
三次と二次の違い
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 19:17:24 ID:KFiKxi0I0
鮮花といちゃいちゃしたい
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 19:20:30 ID:4ilsllU40
式「それをオレが訊きに来たんだけどな。何でも、ボーズラブだかボーイズラブだかの略だとか」
鮮花「……ボーイズラブ?」
鮮花(ボーイズラブ……少年達の愛……少年愛?)
鮮花「もしかして……それって、少年愛の事……?」
式「何だ、やっぱり知ってるじゃないか」
鮮花「そりゃ……知ってるといえば知ってるけど……」
式「なら話は早い。さ、早くその少年愛とやらについて教えてくれ」
鮮花「待った。その前に、こっちからも一つ質問があります」
式「おい、質問したのはこっちが先だぜ。……何だ?」
鮮花「……じゃあ、訊くけど」
鮮花「あんた、どういう流れから橙子さんとその話になったの?」
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 19:21:13 ID:Af1u0ziw0
8: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 19:22:25 ID:b2DyO/o/0
コクトー×織はBLなのかNLなのか
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 19:27:08 ID:/43ueW4w0
鮮花は可愛いな
胸もあるし
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 19:28:51 ID:YBjVPqfa0
藤乃ぺろぺろ
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 19:29:05 ID:4ilsllU40
式「……」
鮮花「とてもじゃないけど……これって、とてもあんたに縁の有りそうな話題には……」チラッ…
式「……?」
鮮花「……」
鮮花「……いえ、そうでもなさそうね。……あんたの場合」
式「……良く分からないけど。鮮花、今オレにケンカうった?」
鮮花「べつに?」
式「……」
鮮花「……」
式「はぁ……まあ良いや。白状するとな、話の発端はおまえの『兄さん』だ」
鮮花「……幹也が?」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 19:38:52 ID:4ilsllU40
式「ああ……こないだの給料日、コクトーに飯を奢らせに行ったんだ。―――赤坂の料亭にな」
鮮花「……!!」
式「あれ? そういえば、前におまえが幹也に連れて行ってもらったって『長々』と話してくれたのもそこだっけ?」
式「いやあ、奇遇だな」ハハ
鮮花(この女……意趣返しに、わざと……!)
式「――ところがだ。結局その料亭には行けなかった」
鮮花「……え?」
式「……今月給料出なかったんだよ、あいつ」
鮮花(……またですか? 橙子さん)
式「それで拝みながら謝って来るから事情を聞いたら……」
鮮花「……」
……
………
…………
16: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 19:48:07 ID:4ilsllU40
式『へぇ、鮮花は連れて行ったのにオレは駄目なのか幹也』
黒桐『……』
式『ふぅん、どうしようかな。余計あいつが許せなくなっちゃったかな」クスリ
黒桐『ごめん、許して!』
式『……』
黒桐『お詫びに、何でもするから!」
式『ん?』ピクッ
式『幹也、今何でもするって言ったよね?』
黒桐『(……あれ? 何か……嫌な予感が……?)』
式『―――じゃあ』
…………
………
……
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 19:54:14 ID:goDoTpxx0
幹也×先輩だろ
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 19:56:22 ID:4ilsllU40
式「……」ニヤニヤ
鮮花(なっ、何? 何があったのっ!?)
式「……まあ、その辺は置いといて……とにかく、その後トウコの所に話を付けに行ったんだけど……」
鮮花「……」
……
………
…………
橙子『……』
黒桐『……』
式『―――という訳だ。おいトウコ、ちゃんと給料は払えよ」
橙子『……』ムー…
橙子『……話を聞いてやりたいのは山々なんだが……今から用事がある。すまんな、また今度……」スタスタ
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 19:58:19 ID:nSsxTnIw0
黒桐が白純や男人格の織に好かれるらっきょはホモ小説の可能性が微レ存
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 20:03:59 ID:GQ1sCB0v0
らっきょssは少ないから嬉しい
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 20:04:28 ID:4ilsllU40
黒桐『……』
(がしっ……)
橙子『むっ、何だこの手は。離せ黒桐』
黒桐『お給料をちゃんと払ってくれたら離します』
橙子『そうは言うがな、黒桐。私は今から冬木の聖杯戦争に参加する予定なんだ。ほら、そうしたら何かと物入りになってくるだろう?』
黒桐『馬鹿な事言ってないで早く払ってくださいよ! もう一月も支払いが遅れてるんですよ!?』
式『……』
橙子『ええい分からん奴だな。私は今からタタリ討伐の依頼で三咲町に行くと言っとろうが。余分な金など一銭持っとらん!!』
黒桐『さっきと言ってる事が変わってるじゃないですか!?』
式『話が進まないな……幹也、おまえ先に出てろ』
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 20:13:04 ID:4ilsllU40
橙子『……』
式『―――オレが話をつける』
…………
………
……
鮮花「……」
式「で、最初は幹也の給料の話だったんだけど……段々話が逸れてって……」
鮮花(橙子さん得意の話術か……)
式「何でも……その”BL”とか言うのが、コクトーと深い関係が有るそうなんだけど。結局何なんだ、それって?」
鮮花「まあ……簡単に言えば、少女漫画のジャンルの一種ね……」
式「……は? 漫画……? 何だ鮮花、おまえそんなのに詳しいのか」
鮮花「一応知識として少し齧っただけよ。……そうだ、口で言うより実物を見る方が早いわね」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 20:13:54 ID:rrx9xmzF0
鮮花かわいい支援
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 20:21:32 ID:4ilsllU40
式「ん?」
鮮花「―――ちょっと待ってなさい」
……
鮮花「――はい、これ」
式「……」
鮮花「所謂少年愛物と呼ばれるジャンルの、代表的な奴を何冊か持ってきたから……試しに少し読んでみたら?」
式「漫画は読まないんだけどな。……まあ、鮮花が持ってきた奴だから」スッ…
(ペラ……)
式「……」
鮮花「……」
……
式「……なあ、鮮花」
26: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 20:24:56 ID:yJ8NwNvN0
なんで何冊ももってるの妹さん
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 20:29:27 ID:4ilsllU40
鮮花「なに?」
式「これってさ……どっちが男で、どっちが女なんだ?」チラッ
鮮花「……どっちも男よ」
式「―――これが? どっちも?」
鮮花「……」
式「ふぅん……」
……
鮮花「……」
式「……」
(ペラペラ……)
式「……なあ、鮮花」
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 20:37:40 ID:4ilsllU40
鮮花「今度はなに?」
式「これってさ……」
式「男同士でやる必要、あるのか?」
鮮花「? 女同士がよかったの? あんた」
式「いや、そうじゃないけど」
鮮花「そう。なら良いじゃない」
式「? ……?」
……
式「……」パタン
鮮花「分かった? まあ、大まかにはそんな感じね」
式「ん……まあその、ボーイズラブ……とやらについては分かったけどさ。腑に落ちない所がある」
鮮花「……」
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 20:42:05 ID:YBjVPqfa0
橙子さんは百合厨
31: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 20:43:26 ID:+4Ig5/070
幹也×志貴でみんな幸せだよ
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 20:44:17 ID:8dxKxjh60
橙子さんこそ幹也と絡んでほしいんだけどな
でも残念ながらないんだよな
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 20:45:39 ID:4ilsllU40
式「これ、あいつと何の関係があるんだ? ……鮮花、知らないか」
鮮花「―――それは。私より、橙子さんと直接話をしたあなたの方が分かるんじゃない?」
式「そうは言ってもな……そのトウコがお前に訊けって言ったんだぞ」
鮮花「……」
式「あいつは話は長いけど無駄な事を言う奴じゃない。話は長いけど」
鮮花(……わたしにしか分からない事。 幹也……BL……少年愛……)
鮮花「……!」キュピピン
その時、鮮花に電流走る―――!
式「ん? 何だ、分かったのか鮮花」
鮮花「……そんな……でも……有り得ない……」
鮮花(でも……幹也のあの性格からすると……ひょっとして……)
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 20:48:42 ID:goDoTpxx0
まほよがエ口ゲだったら橙子さん訪問シーンは確実にHシーンだった
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 20:55:34 ID:8dxKxjh60
>>34
あのシーンはエ口ないってわかってるのにドキドキしたな
同時に草の字じゃなくて幹也とのエ口が見たいなと改めて思いました
35: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 20:54:36 ID:4ilsllU40
鮮花「……」
式「おい……黙ってないで、うんとかすんとか言ってくれよ」
鮮花「うん……すん……」
式「やっぱりおまえ、オレにケンカうってる?」
鮮花「気のせいよ。……ねぇ、それより式。私からも、あんたに訊きたい事があるんだけど」
式「今度は何だ?」
鮮花「うん……幹也ね……最近、何か変わった事言ってなかった?」
式「変わった事……?」
鮮花「……もしかしたら、年下とか後輩についての話かもしれない」
式「後輩ね……ああ、そう言えば」
鮮花「……」
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 20:59:20 ID:YBjVPqfa0
まほよの橙子さんは存在がエ口い
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 21:03:51 ID:4ilsllU40
式「この前あいつ、後輩が『シャブった』だの『シャブられた』だの言ってたような……」
鮮花「!!」デデドン
(フラッ……)
式「おっ……」ガシッ
鮮花「……」
式「おい……大丈夫か? 大丈夫か?」
鮮花「だ……大丈夫よ……。それより……」
鮮花(……ここまで証拠が揃っちゃ仕方がない……認めたくなんか、ないけど……)
式「……?」
鮮花「まさか……」
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 21:11:04 ID:4ilsllU40
鮮花「まさか幹也が……同性愛者、だったなんて……」
式「……」
式「…………」
式「……………………は?」
鮮花「―――」
式「おい……鮮花。おまえ頭どうかしちまったのか?」
鮮花「……」
式「あいつが……あいつがゲイなんて、馬鹿も休み休み言え」
鮮花「馬鹿……馬鹿……馬鹿……」←休み休み
式「おまえとは一度徹底的に話し合う必要があるな」
鮮花「その内ね……。それより式、あなたも幹也の性格は知ってるでしょ?」
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 21:18:56 ID:4ilsllU40
式「……」
鮮花「あの人は……誰が相手でも、変わる事無く優しいって」
式「だからあいつが男好きな理由になるってか?」
鮮花「最後まで聞きなさい。―――あんたは知らないだろうけど、私は前に幹也から聞いたのよ……」
式「……」
鮮花「幹也は……あんたが織でも、多分自分は好きだったって……」
式「……っ!」
式は複雑な表情になる。
喜べば良いのか、悲しめば良いのか、判断が付かないような。
……不用意に口にすべき事ではなかったのかもしれない。
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 21:20:29 ID:zxTOiTlK0
白純はディープキスまでしてたもんな
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 21:27:11 ID:4ilsllU40
式「……」
式「……それが」
式「それが、どうしたって言うんだ」
絞り出すような声だった。
鮮花「……」
鮮花「……じゃあ、率直に質問するわね、式」
―――わたしは失言を重ねようとしているのかもしれない。
鮮花「―――これまで黒桐幹也(あに)は、両儀式(あなた)を抱いた事が一度でもあって?」
式「―――」
……返答は無かった。
そして、沈黙(それ)は何よりも雄弁に。
事実を物語っていた。
43: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 21:35:03 ID:4ilsllU40
鮮花「……」
恋敵として喜ぶべき事なのか。
それとも、同じ女として哀れむべきなのか。
―――やはり判断など付かなかった。
式「……オレの事はどうでもいい。それより……あいつが、ゲイって……」
式「何か、確証でもあるのか?」
鮮花「そんな物無いけど……これは、妹の勘よ」
鮮花「十中八九……黒だよ、真っ黒……」
式「……」
鮮花「……」
黒桐鮮花。起源―――『禁忌』。
少しばかり、おかしな方向に物を考える癖があった。……というかそっち好きの人だった。
……同じ頃
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 21:43:20 ID:4ilsllU40
黒桐「先輩……何してるんですか!?」
白純「……、……」ハァ…ハァ…
黒桐「止めて下さいよ本当に……っ!」ジタバタ…
白純「暴れるなよ……暴れんな……!! 五万円、欲しいだろ!?」
黒桐(何で……こんな事に……?)
白純(両儀式を誘い出す―――その為の囮には、やっぱり彼が最適だ……)
黒桐(久しぶりに会った先輩に……チャッチャッチャと仕事したら五万円貰える仕事紹介してもらえるなんて……)
白純(白純里緒には……両儀式と、キミが必要なんだ……幹也……)
黒桐(そりゃいくら何でも出来すぎだとは思ったけど……まさかこんな……)
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 21:50:31 ID:4ilsllU40
黒桐(こんな……怪しいビデオに出る破目になるなんて……!!)
白純(……まず、幹也から仲間になってもらおう……そうすれば、彼女も断れないだろう)
黒桐(そもそも……この人、あの荒耶とかいう人と関係がある可能性も有るんだよな。 先輩……大丈夫、なのかな?)
白純「……」
(さわさわ……)
黒桐「……っ、ちょっと本当にっ……」
白純「―――ッ」サッ
黒桐「えっ……?」
黒桐(こ、これは……!! 楽しみにしてたのに、結局見る事が出来なかった……礼園の制服姿の式!?)
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 21:57:00 ID:4ilsllU40
白純「大人しくしろっ!! ばら撒くぞこの写真っ!!」
黒桐「えっ!?」
白純「……んっ……」
黒桐「むぐっ!?」
白純「……、……」
黒桐「……っ、う、うもう……!」
(ごくり……)
黒桐「……っ、……っ」
白純「……ふぅ。あんがい強情だな、キミって」
黒桐「……今のは?」
白純「大丈夫、心配する事は無い。今のはちょっとだけ自分に対して素直になれるクスリだよ」
黒桐「……」
黒桐(……麻薬か……。そういえば学生の時からそっち方面に詳しかったな、この人……)
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 22:07:36 ID:4ilsllU40
黒桐「……どうして」
白純「?」
黒桐「どうして、こんな事をするんですか? 後五万円はちゃんと払ってもらえますよね?」
白純「ああ、うん。何でこんな事をするかって言うとね……これはもう君に言ったかな?」
白純「学生時代、キミが両儀さんを好いていた事は周知の事実だったけど……実は、ボクもそうだったんだ」
黒桐「え……?」
白純「けど、ボクは彼女の事でキミと争いたくなんかない。……だからさ、三人で一緒に仲良くなれる方法を考えたんだ」
黒桐「……」
白純「キミにはそのお手伝いをしてもらいたいんだけど……はは、キミって強情そうじゃない?」
白純「だからその為のお金……後、その為のクスリ……なんだ」
黒桐「……式に、何をするつもりですか」
白純「別に。ただ、彼女には本来在るべき場所に来てもらうだけだよ。その為にキミに手伝ってもらう報酬が、五万」
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 22:12:16 ID:84f6+PRw0
幹也に対して不潔っ!!!!ジショバーンしたのに、鮮花がそんな不潔なもの持ってるなんて・・・シコシコ
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 22:16:24 ID:4ilsllU40
黒桐「……」
白純「―――ああ、やっぱり、キミには通常の十倍のクスリ程度じゃ効果が無かったか。なら仕方ない」
白純「連続投与は身体に悪いんだが……カラダ持ってくれよ? 更に三倍投与だ!!」
黒桐「!?」
白純「四倍だ!!!!」
黒桐「ファッ!?」
……
黒桐「……」グタッ…
白純「……意識を失ったか。なら、今の内だな……」
黒桐「……」
白純「……」ボソボソ
黒桐「……」ピクッ…
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 22:24:10 ID:4ilsllU40
はたして、野獣と化した先輩は、自己の境界が曖昧になった幹也に何を吹き込んでいるのか……。
白純「ウサ耳……バニーさん……メイド服……ナースさん……」ボソボソ
黒桐「……」ピクッピクッ
……
― 幹也のアパート ―
式「……」
鮮花『黒だよ……真っ黒ォ!!』
式「……馬鹿らしい」
式(……冗談。あんなの……根も葉もない……証拠なんて、何一つ無いじゃないか……)
56: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 22:32:15 ID:4ilsllU40
式(それに……)
式「おまえ……私の事、好きだって言ったじゃないか……」ボソ
鮮花『幹也は……あんたが織でも、多分自分は好きだったって……』
式「―――」
式(確かに……織は、当時の両儀式(わたし)からは考えられない位にあいつに興味を持っていたけど……)
……あいつも。私なんかより、織と一緒にいる時の方が楽しかったんだろうか。
式「私、男に生まれれば良かったのかな」
何気なしにぽつりとそんな言葉が出る。
―――織がまだ私の中にいたなら、彼は何と言ったろうか……。
57: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 22:37:51 ID:4ilsllU40
式「……」
(とぅるるるるる……)
式「?」
(とぅるるるるる……)
式(……電話)
(とぅるるるるる……)
式「……」
(とぅるるるるる……)
式「……」ハァ
式「分かったよ……出れば良いんだろ、出れば……」
(がちゃ)
58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 22:44:54 ID:4ilsllU40
式「はい、黒桐です」
『式? ああ、良かった。やっぱり居てくれたんだ』
式「―――」
どきりと。一つ胸が高鳴った。
式「……」
『……式? 聴こえてる?』
式「……この、莫迦」
ぽつりと。また一言口から感情が漏れだしていた。
式「休日だってのにどこほっつき歩いてんだ、おまえは。人には言えない所か?」
『……? 式こそ、せっかくの休日なのに機嫌悪いね。何かあった?』
式「―――別に。普段からこんなだろ、オレは。……で、何の用?」
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 22:52:12 ID:4ilsllU40
『ああ、うん。そうだね、えーと……』
式「……用がないなら切るぞ。こっちだって暇じゃないんだ」
『ああ待った待った。用ならちゃんとあるよ』
式「……」
『もう……その電話、一応僕ん家のなのにな……』
式「で……用件は何?」
『うん……今晩、一緒に食事でもどうかなって』
式「―――」
『ほら、君が前に行きたいって誘ってくれた時に、連れて行けなかっただろ? 今日はそのお詫びって事で』
式「……」
『式……? ああ、今忙しいんだっけ? ごめん、都合が悪いのならまた別の日にでも』
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 22:58:19 ID:4ilsllU40
式「……いいよ」
『え?』
式「……」
……
― アーネンエルベ前 ―
黒桐『じゃあ、今からアーネンエルベの前で落ち合おう』
式「へぇ……最近は夜でもやるようになったのか、この店」
式「……」
式「…………」
式「……………………」
式「遅い……」
63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 23:05:57 ID:4ilsllU40
黒桐「おーい……」
式「……」
黒桐「お待たせ……」ハァハァ…
式「――遅い」
黒桐「ごめんごめん……どのくらい待っててくれた?」
式「後一分で来なかったら帰ろうと思ってた所」
黒桐「そ……そんなに?」
式「……」←五分以上待てない
式「ま、いいや。さ、連れて行ってくれ。行き先は幹也に任せる」
黒桐「うん、じゃあ入ろうか」
式「……?」
式(何か……齟齬がある……?)
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 23:13:39 ID:4ilsllU40
式「おい幹也……オレたち、今からどこかに飯食いに行くんだよな」
黒桐「うん。だから、ここだよ」
式「……へ?」
黒桐「このお店、最近ディナーメニューを始める様になったって聞いたからさ……一度、夜に来てみたかったんだ」
式「……」
式(忘れてた……そもそも、こいつ今金欠じゃないか……)
黒桐「今日臨時収入があったから……このお店ならいくら食べても怖くないぞ」
式「……」
式「……馬鹿」
黒桐「な、何で……?」
白純「……」
66: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 23:21:23 ID:4ilsllU40
― アーネンエルベ・店内 ―
店員「ご注文はお決まりでしょうか?」
黒桐「じゃあ……とりあえず、ホットコーヒーを一つ」
式「……」
黒桐「式は……決まってる?」
式「じゃあこの……何とかってワインを……」
黒桐「……」チラッ…
黒桐「うわお……」
店員「ご注文は以上でよろしいでしょうか?」
黒桐「すみません……キャンセルで」
店員「は?」
67: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 23:28:46 ID:4ilsllU40
黒桐「ホットコーヒーキャンセルで、僕にも同じ物をお願いします……」
式「……」
店員「でも……今の今でキャンセルは……」
黒桐「そこを何とか! お願いします……!」
式「酒を取るとなると……何か、つまみも必要だな」
式(ああ―――今日は、とことん酔いたい気分だ……)
……
………
…………
68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 23:37:27 ID:4ilsllU40
黒桐「……」ハァ…
黒桐「そろそろ……帰ろうか、式……?」
式「んー……?」
黒桐「立てる?」
式「……だーいじょうぶだって。平気、平気……」フラフラ
黒桐「やっぱり酔ってるじゃないか。……っと……」フラフラ
黒桐「はは……僕もか……。ん……式、ちょっと左に寄ってくれる?」
式「……」
黒桐「ちょっと肩当たるよ。……はい、これで支え合いながら……帰ろう」
式「……」ヒック
69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 23:44:19 ID:4ilsllU40
白純「……」
店員「お会計……○○○○○円になりまーす」
黒桐「ファッ!?」
……
― 大通り ―
黒桐「ああ……やっぱり冷えるね……」
式「……」
(フラフラ……)
黒桐「電車はもう無いし……歩いて帰るには家は遠いしなぁ……」
式「うん……」
(ぱらぱら……)
70: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 23:51:19 ID:4ilsllU40
黒桐「……雨まで降ってきた。これは……拙い……」
式「幹也、あれ……」
黒桐「え……? 『パビリオン』……ああ、ホテルの看板か……」
式「……」
黒桐「仕方ない……今日は一先ずここに泊まろうか。式はそれで良いの?」
式「うん……」
酔っ払い二人、一体どこへ向かおうというのか。
白純「……」ニヤリ
73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/23 23:57:35 ID:V4YZVXNz0
アーネンエルベ出てくると誰がいても不思議じゃない気がする不思議
74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 00:02:12 ID:m6IeWAC10
五時間もやってまだ終わりが見えない(驚愕)先輩の出てくるSSはいつも落ちかける、はっきりわかんだね
― ホテル・個室 ―
黒桐「……はぁ」
式「あぁ……もう……服が汗でびしょびしょだ……」
黒桐「シャワーでも浴びてきたら?」
式「そうする……」
(すたすた……がちゃ……)
黒桐「……」
(こんこん……)
黒桐「―――はい? どちら様でしょうか」
(すたすた……)
75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 00:02:17 ID:uhNFePko0
パビリオンってラブホじゃん
パンツ魔眼で殺された
76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 00:10:21 ID:m6IeWAC10
「――レオタード……」ボソッ…
黒桐「……」ピクッ
「――スク水、ブルマ、体操服……」ボソッボソッ……
黒桐「―――」ピクッピクッ…
……
式「あー、さっぱりした」
黒桐「あぁー……。喉渇いたな。式、喉渇かない?」
式「ん? ああ、そうだな」
黒桐「何か飲み物見てくるよ」
……
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 00:20:34 ID:m6IeWAC10
黒桐「……」
(サーッ!)
黒桐「……」
……
式「……」
黒桐「お待たせ! アイスティーしかなかったけど良いかな」
式「……アイスティー? 甘いのは、良い……」
黒桐「そう……これが良いのに」
(ごくごく……)
式「……」
式「気が変わった……やっぱり少し飲む」
黒桐「え……?」
79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 00:28:11 ID:m6IeWAC10
……
式「……」ゴク…ゴク…
黒桐「……」
式「……冷たい」
黒桐「だろうね……」
……
黒桐「あーさっぱりした……」
式「……」
黒桐「もう寝ようか……身体、クタクタだ」
式「うん……」
(パチッ……)
80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 00:36:00 ID:m6IeWAC10
そろそろ猿さん食らいそう予感
「……」
「……」
「お休み、式」
「……お休み」
……
………
…………
「……」
「……」
「なぁ幹也。まだ起きてるか?」
「……ん……? え……? どうしたの……?」
83: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 00:46:48 ID:m6IeWAC10
「……」
「……式?」
「なぁコクトー。お前、さっきオレがシャワー浴びて出て来た時、チラチラ見てただろ」
「……うん……」
「おまえさ、幹也さ、この前料亭に連れて行かなかった時に何でも言う事聞くって言ったよな」
「うん」
「……」
「……」
「……」
「ああ、分かった……」
84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 00:54:10 ID:m6IeWAC10
何で毎回エ口直前になると書き溜めが尽きるんだろう…(すっとぼけ)30分レス無い時はさるったと思って下さい
「何がだよ……」
「いいから」
(もぞもぞ……)
「……」
「……」
― 隣の部屋 ―
白純(よし……正に思惑通りだ……)
87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 01:07:16 ID:m6IeWAC10
一応20kb書いたのに…
『……』
『……』
白純(幹也への熱い説得は……効を成しているようだな)
……
白純『男はすべからくすけべぇだ!! だがそれを認めるか否かで、男の器は天と地の差を持つのだ!!!』
黒桐『……』ボーッ…
白純『それにしても……両儀さんが仲間になった暁には、どんな衣装を着てもらおっかなぁ~☆』
黒桐『……』
88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 01:10:27 ID:BxQHsMbz0
ダメだこの白純
89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 01:18:53 ID:m6IeWAC10
白純『手堅く、制服、体操服、スク水の三段コンボでも決めとくかぁ~?!?!』
黒桐『……』ピクッ
白純『その後は……バニーさんにコンパニオンに、いやいや、レオタード姿も良いなぁ~』
黒桐『……』ピクッ
白純『いや! 待てよ待てよ待てよ! こ、ここは一つ……お色気全ぁ~い☆な衣装なんかも……はぁはぁ』
黒桐『……』ピクッピクッ
黒桐『……』ボソッ
白純『……ん? 何だって、幹也……』
黒桐『……』
黒桐『……靴下は……残し……ましょう……』
白純『みっ、幹也ぁッ!!!』
90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 01:19:40 ID:FJcFlaiV0
口先の魔術師だ…
91: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 01:25:12 ID:8ij7OHji0
よくわかっていらっしゃる
92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 01:31:30 ID:m6IeWAC10
(ガシィッ!!)
白純『ボクは今……本当の意味で、キミと解り合えた気がするよ!!』
黒桐『……』
白純『ああ……全裸に靴下……さ、最高だぁ……☆』
黒桐『……』
白純『全裸靴下の両儀さんを見る事を誓ったボク達は…」
白純『正に…そう!! ソウルブラザーだあぁあぁああぁッ!!!』
ただの馬鹿だった。
……
白純「くっくっく……このまま二人が良い雰囲気になった所で……こっそり俺も混ぜてもらうって訳さ…!」
94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 01:48:09 ID:m6IeWAC10
『……』
『……』
『じゃあそのそろそろ……良いかな? 式』
『……うん。でも、一つだけ……約束して』
白純「……」ゴクリ…
『……』
『痛いって言ったら…………やめて……』
『……分かった。約束する』
白純(……いよいよか……!)
―――加熱した欲望は、ついに危険な領域へと突入する。
95: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 01:49:12 ID:PKABAxFl0
この空気で混ぜてもらえると思ってる白純先輩
96: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 01:51:02 ID:Aa5HMkQB0
でしゃばるな
97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 01:54:06 ID:tmbg5zot0
らっきょssはどうしてホモに流れるの?
幹也と式のいちゃいちゃを書いてくれてもいいじゃない
98: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 01:58:24 ID:m6IeWAC10
『痛みは耐えるものじゃなくて……訴えるものだからね』
『ええ……』
『……じゃあ、今度こそ……行くよ……』
『……』グッ…
『あ、でもその前に―――式……?』スッ
『……?』
『……』ボソッ…
『……!』
『……』
『……』
(ぎゅっ……)
99: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 02:08:45 ID:m6IeWAC10
白純(まだかな……まだかな……)
『……』
『……』
『あっ、痛てっ』
『……』
『いやもう無理……』
『……まだまだ』
『いやもう本当に限界……』
『ごめん、もうちょっと……』
白純「……」
『いや本当もう痛いんで無理……』
『後ちょっと……我慢できる……?』
102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 02:18:10 ID:m6IeWAC10
『……』
『……』
白純「……?」
『―――だから痛ぇっつってんじゃねーかよッ』ドガッ
白純「!?」
『ぐあっ……』
『……』
『……痛いって言ったら止めるって、約束したじゃないか……』
白純(なんだ……彼女は……意外と痛みに弱いのか……?)
『……』
『……』
104: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 02:29:51 ID:m6IeWAC10
『……』
『……』
白純(あーもう……さっきまでの良い感じが滅茶苦茶だよ……)
……
『約束は約束だから……ちゃんと、守れよ……』
『……ごめんなさい』
白純「雰囲気悪くなってるな……ボクが治めてやるか。しょうがねぇなぁ……」
(がちゃ……)
白純「あのさあ、もうそれはいいから。両儀さんに……」
式「―――調子こいてんじゃねえぞこの野郎」
(ドゴッ)
105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 02:42:04 ID:m6IeWAC10
白純「ぐえっ!!」
白純「……」ガクッ…
……
………
…………
白純「う……うぅ……」
「じゃあとりあえず、犬の真似してみろ」
「え……?」
「四つん這いになるんだよ。早くしろよ」
「……」
白純「っぁ……頭……痛い……」
「おやおや、もうお目覚めか」
これどこに向かってるんだ……
107: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 03:01:30 ID:m6IeWAC10
白純「……」
「良い眺めね……『先輩』?」
白純「……」
白純「両儀―――式」
式「……」クスリ…
白純(そうか……ボクはさっき、部屋に入った途端良いのを貰って……)
式「あーあ……こんなにも回りくどいことしてさぁ」
式「―――あなた、そんなにまでして幹也が欲しかったの?」
白純「―――」
白純(くそ……今の白純里緒は……あの頃より何倍も、何十倍も強くなったって言うのに……)
108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 03:19:43 ID:m6IeWAC10
式「……」クス
白純(目の前の―――この少女に勝てるイメージが湧かない……。殺人鬼としての格が……まるで違う……)
野生の動物同士は、戦わずして相手の力量が分かるという。
―――野獣と化した先輩が、”本気になった”両儀式に気圧されるのも当然だった。
白純(それに……今の彼女、まるであの時みたいじゃないか)
式「でも話をするのはあの時で最後だって言ってたのにね、先輩」
白純(まるで、あの事故で壊れる前の……あの、妖しげな雰囲気の……)
黒桐「……」
式「……噂に聞いていたけど。ふぅん、そんな格好すると……本当に子犬みたいだな」
110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 03:44:47 ID:m6IeWAC10
どうしてもここからホモルート書く気力が浮かばない……
黒桐「……」
白純(クスリと酒の相乗効果か……? 今まで見てきた中でも、こんなにヤバイ両儀式は初めてだ……)
式「―――ああ、そう言えば。おまえさっき何でも言う事聞くって言ったよな、幹也」
黒桐「……」
式「じゃあさ……ここでワンワン鳴いてみてよ」
白純「えっ、何それは……」
黒桐「……」
式「さっきは痛かったな……」ボソ…
黒桐「っ……」
式「止めてって、何度も言ったのに……」
112: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 03:53:54 ID:m6IeWAC10
黒桐「―――」
(ワン、ワン、ワン……)
白純「―――――」
式「ははは、上手い上手い! 流石コクトー、わんこくんの異名は伊達じゃないな?」
黒桐「……」
白純(……何て事だ……)
白純「……この幹也……、想像以上に……可愛い……?」
駄目な先輩だった。
先輩が出て来ると何故かホモになるんだよなぁ……
114: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 04:05:12 ID:cRhyPCDC0
SRZM先輩はオチ担当にしようっていつも言ってるじゃないですか
115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 04:11:25 ID:m6IeWAC10
SRZM先輩乙女説
式「―――――」
……もっと。
式「でもまだ何か足りないなぁ。なあ、おい。えーと……白純」
白純「……」
式「おまえ幹也に首輪してやれよこの野郎」
白純「……!?」
白純(……何で)
白純(……何で、分かるんだ……? ボクが今、コスプレ用の首輪を持ってるって……)
……もっと。
白純「……」
黒桐「……」
116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 04:35:41 ID:m6IeWAC10
白純「ごめん……こんなつもりは、なかったんだ」
黒桐「……」
(カチャカチャ……)
黒桐「……」
白純「―――」
白純(……でも今の幹也、本当にかぁいいなぁ……。あぁ……お持ち帰りしたい……)
やっぱり駄目な先輩だった。
式「―――――」
……もっと、メチャクチャに。
118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 05:11:01 ID:cRhyPCDC0
鮮花は基本報われない
報われた鮮花がもう一回見たい
119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 05:15:47 ID:m6IeWAC10
黒桐「……」
式「―――」
もっとメチャクチャにこいつを犯して、私は酷いヤツにならなきゃ。
そうすれば―――そうしなきゃ。
式「……ん? 何それ?」
白純「――――え?」
(さっ……)
白純「あっ……」
式(注射器……? ……クスリか。)
私は。
もう隣にきみがいない事に、耐えられないから。
あれ……鮮花どこ行った?
120: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 05:26:23 ID:PthP6Dl10
鮮花はフェードアウトしました
122: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 05:59:04 ID:m6IeWAC10
式「……」
もしかしたら―――幹也は、これで意識の自由を奪われていただけで……。
本当は―――
式「……何て、都合の良い幻想。馬鹿みたいだ……」
まだ認められないのか。
織の居ない両儀式には、あいつを引き止めて置くだけの魅力がなかったんだって。
式「……」
式「……黒いの、白いの。ちょっとそこ、並んで」
黒桐「……」
白純「……」
何故こんな展開になっているんですかね……。
123: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 06:00:35 ID:POmN7+1x0
本物の恋をしま鮮花!!!
124: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 06:20:31 ID:m6IeWAC10
黒桐「……」
黒桐「っ……」フラ…
白純「……!」
式「……?」
(どさっ……)
「……」
白純「―――」
式「―――」
式「え……?」
「……」
式「幹、也……?」
125: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 06:46:26 ID:m6IeWAC10
白純「……」
『……んっ……』
『むぐっ!?』
通常の……十回分。その、更に四倍量のクスリ。
『やっぱり酔ってるじゃないか。……っと……』フラフラ
もしくは……あの喫茶店で飲んだ、度数の高いワイン。
『そう……これが良いのに』
それとも……さっきアイスティーに混ぜた、興奮剤。
あるいはそれ等全てが彼の内部で出会ってしまい―――
化学反応を起こしスパーク………
いずれにせよ。
彼の身体は、負荷に耐え切れなかった。
126: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 07:27:47 ID:m6IeWAC10
白純「……」
白純「ごめん……ごめん、幹也……」
白純(こんな事になるのなら……無理矢理にでも、彼にブラッドチップをやらせていれば良かった……)
白純(そうすれば……少なくとも彼は死なずに済んだ。いつまでも、こっちの世界で生きていられたのに……)
式「―――」
「……」
式「……ああ。死んだのか、おまえ」
……おかしいな。
昔は、こいつさえ消してしまえば、両儀式は平穏に暮らしていけるって。
そう、信じてたのに。
式「……」
127: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 08:06:31 ID:m6IeWAC10
式「……」
……何だ。とっくに知ってたんじゃないか。
いくら隣にいなくたって。たまに擦れ違う事があったからって。
火の暖かさを知った獣が戻れないように。
私は……あいつのいない生活が考えられない位に―――黒桐幹也に、いかれていたんだ。
式「……もっと早く気がつけば良かった」
……そうして、ずっと一緒に歩いていれば。
いつか、同じ場所に居られたかもしれないのに。
白純「……」
白純(人間なんて、些細な事で死ぬんだって……白純里緒は良く知っていたはずなのにな)
終わらないなぁ…
128: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 08:17:24 ID:f1ZI1tt1i
久々のらっきょSSかと思ったら淫夢スレだった...
129: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 08:22:07 ID:cRhyPCDC0
らっきょSSがホモになったりグダったりさるくらうのは
いつものこと
130: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 08:42:41 ID:m6IeWAC10
白純「……」
白純「ああ……でもまだ、俺にはお仲間がいる……」
式「……」
白純「そうだ……黒桐幹也なんかいなくても、白純里緒には同類が……あんたがいるじゃないか」
白純「あんたがいれば、俺は〝衝動〟なんかには負けない……白純里緒のままでいられるんだ」
式「……」クス…
白純「―――俺は今、何かおかしな事でも言ったかい……?」
式「いや……」
式「確かに……ある一点においてだけ私達は似ているな、白純」
―――私も。
幹也が傍にいてくれれば……あるいは、耐えていけたかもしれない。
嫌なジンクスだなぁ…
131: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 08:44:29 ID:cRhyPCDC0
でもそんならっきょSSが大好きやで
132: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 08:44:58 ID:5IrnSRkh0
読んでいるとまるで迷宮に入った気分だ
133: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 08:59:06 ID:m6IeWAC10
式「……」
それを思うと……少し、悲しい。
式「―――いいよ、やろう」
白純「―――」
式「でもその前に……一つ、訊いて良い?」
白純「……」
式「幹也は―――何故死んだの?」
白純「……」
白純「俺が呑ませたクスリの効果に身体が耐え切れなかった……あいつは、普通の人間だからな」
式「……そう」
もう何がなんだか分からない…gdgdしすぎィ!
134: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 09:25:37 ID:m6IeWAC10
あいつを殺していいのは、私だけのはずだったのに。
式「……」
……でも、本来こんなことを思うのは、凄くおかしいんだろうけど―――
私は、こいつが素直に答えてくれた事を喜んでいるんだろうか……?
式「さて……」
白純「……」
もし、おまえを殺したのが誰なのか分からなかったら―――
きっと、行き場に迷っていただろうから。
式「―――もう始まってるぞ」
白純「―――――」
……
決着は、一瞬だった。
137: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 10:07:21 ID:m6IeWAC10
飛び掛る白純里緒の腕関節を瞬時に極め―――
そのまま、首筋の『点』に先ほど奪った注射で一刺し。
それでおしまい。
それだけで、白純里緒はその生命活動を停止させた。
……
式「……」
「……」
式「……」フラ…
(ばたり……)
式「……」
式(これは……さっきの、アイスティー? それとも、ワインかな……)
式「どっちでもいいか……もう」
140: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 11:09:02 ID:m6IeWAC10
……いくら興味が無いと言っても。クスリとアルコールの組み合わせが、体に良くない事くらい知ってる。
式(知ってるけど……)
式「もう……眠りたいんだ……」
式「…………」
……
「……」
「……ごふっ!」
黒桐「ごふっ、ごほっ……!!」
黒桐「う……ぉう……え……」ゲホッゲホッ…
黒桐「……」ハァ…ハァ…
ホモとgdgdとさるさんからああ逃れられない
143: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 11:16:10 ID:cRhyPCDC0
>>142
空の境界って作品
ちなみに本編はここまでホモじゃないよ
144: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 11:17:23 ID:wOtjkyz70
“ここまで”
145: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 11:22:31 ID:m6IeWAC10
黒桐(……ここは?)
黒桐「……あ……っ痛……」ズキッ…
黒桐(頭が……ズキズキする……。これ……二日酔い、か……?)
黒桐「そもそも……僕は、何でここに……」
黒桐(確か……今日三年ぶりに白純先輩と再会して、それから……)
黒桐「……」
黒桐(そうだ……確か先輩が……三十分で、五万円稼げる……割の良いバイトを斡旋してくれて……)
黒桐「……」
『先輩……何してるんですか!?』
『……、……』ハァ…ハァ…
146: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 11:40:13 ID:m6IeWAC10
『止めて下さいよ本当に……っ!』ジタバタ…
『暴れるなよ……暴れんな……!! 五万円、欲しいだろ!?』
黒桐「……」
『むぐっ!?』
『……っ、う、うもう……!』
黒桐「……うわお」
黒桐(それで、先輩にクスリを呑まされて……ここからあんまり覚えてないんだけど……)
148: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 11:54:39 ID:m6IeWAC10
『男はすべからくすけべぇだ!! だがそれを認めるか否かで、男の器は天と地の差を持つのだ!!!』
黒桐「……」
『それにしても……両儀さんが仲間になった暁には、どんな衣装を着てもらおっかなぁ~☆』
『手堅く、制服、体操服、スク水の三段コンボでも決めとくかぁ~?!?!』
『その後は……バニーさんにコンパニオンに、いやいや、レオタード姿も良いなぁ~』
『いや! 待てよ待てよ待てよ! こ、ここは一つ……お色気全ぁ~い☆な衣装なんかも……はぁはぁ』
黒桐「……」
黒桐「……あれ?」
黒桐(この時の先輩は……特に、間違った事を言ってない……所か……)
黒桐「むしろ……僕から見ても同意できる事ばかり、話している……?」
幹也も男なのだった。
149: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 12:12:04 ID:lwAcuYLY0
式とのイチャイチャは・・・・・?
150: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 12:13:20 ID:m6IeWAC10
『ボクは今……本当の意味で、キミと解り合えた気がするよ!!』
黒桐「……」
『ああ……全裸に靴下……さ、最高だぁ……☆』
『全裸靴下の両儀さんを見る事を誓ったボク達は…」
『正に…そう!! ソウルブラザーだあぁあぁああぁッ!!!』
黒桐「……」ハァ…
黒桐(昔から気の良い人だったけど……まさか、学校中退してからあんな風になってたなんてなぁ…)
黒桐「……」
黒桐「…………」
黒桐「……駄目だ。ここから先が、どうしても思い出せない……」
黒桐(でもこの頭痛は……飲み過ぎによる物だよな……。―――記憶飛ぶほど飲んだの、多分初めてだ)
151: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 12:31:10 ID:m6IeWAC10
黒桐「―――うっ……」
(ごほっ、ごふっ……)
黒桐(まだ……胃からこみ上げてくる……)
黒桐「本当に、どれだけ飲んだんだよ……昨日の僕は」
黒桐(そもそも……ここはどこだろう? 僕か式の家……じゃないよなぁ)
黒桐「……あれ。これ、もしかして床……?」
おいおい……いくら前後不覚に陥ったしても、それはないだろう、それは……。
……早く立たないと。
黒桐「んっ……」ムクリ…
(フラッ……)
154: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 12:51:57 ID:m6IeWAC10
黒桐「―――」ガクッ…
黒桐「……こりゃ重症だ」
立つ事さえままならないなんて……仕事どうしよう……。
視界も何だかやけに暗くて前が見えにくいし……。
黒桐「そもそも、今何時―――」チラッ…
黒桐「―――――」
黒桐「……えっ?」
白純「……」
式「……」
黒桐「―――――」
黒桐「―――し、き」
間隔短すぎるとさる食らっちゃうんで…
156: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 13:08:15 ID:m6IeWAC10
即興なんでいつもgdる…
―――この事は、先輩にはもう謝っても許してもらえないだろうけど。
この時、僕には式しか見えていなかった。
式「……」
黒桐「―――式?」
式「……」
式「……」スゥ…
黒桐「……息は……してる、けど」
黒桐(一体……何が……)
式「……」
式「……」パチ…
黒桐「……式?」
157: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 13:25:41 ID:m6IeWAC10
黒桐「……式?」
式「……」
黒桐「……」
式「―――ああ、生きてたんだ。おまえ」
黒桐「勝手に殺さないでくれよ。それより、一体何があったんだ?」
式「―――覚えて、ないのか?」
黒桐「残念ながらね……ここ半日位の記憶、丸々抜け落ちてるよ」
黒桐「さっきから頭痛が酷いし、胃から色々こみ上げてくるし、……何しでかしたんだろうな、僕」
式「……」
黒桐「それにこの部屋にも見覚え無いし。一体どこなの?」
158: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/24 13:40:22 ID:m6IeWAC10
式「ここか? ……パビリオンとかいうホテルの一室だよ」
黒桐「パビ……?」
黒桐(それって……確かラブホテルの……名……前……)
式「……」
黒桐「……」
黒桐「え……えぇえーッ!?」
式「……」フフ
黒桐(そんな……記憶にない……全然記憶に無いぞ)
式「……」
黒桐「あ、あの……式?」
式「なに」
黒桐「気が付いたら式とホテルに居て…」橙子「ほほう」
1: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 19:54:21 ID:zKE0PS190
……二月のある日、ホテル”パビリオン”
黒桐「……」
黒桐「……ごふっ!」
黒桐「ごふっ、ごほっ………っおぇ……」ゲホッゲホッ…
黒桐「…………」ハァ…ハァ…
黒桐(あれ…………ここ……どこだろう……? ……僕か式の家、じゃないよな……)
(ゴツン……)
黒桐「あ……床……?」
黒桐(何でこんな所で寝てるんだ……? とにかく起き……)ムクリ…
(ズキッ……)
黒桐「っあ……痛……」
黒桐(頭がズキズキする……。……胃もムカムカするし……これって二日酔い……?)
2: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 19:59:03 ID:zKE0PS190
黒桐「……今何時だろう。時計、時計無いかな……」クルッ
黒桐「―――――」
式「―――」
白純「―――」
黒桐「―――えっ?」
振り向いた先には、見知った二人が倒れこんでいた。
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 20:01:38 ID:zKE0PS190
……その一昨日、伽藍の堂
式「なあ……もう帰ろうぜ幹也。どうせ残業代なんて出ないんだろ?」
橙子「んー?」
黒桐「うん、これだけ片付けたら……」
黒桐「……ん、何だこれ……?」ガサゴソ
橙子「……」
黒桐「……あー。またこんなの買ったんですか……」
橙子「買ったんじゃない……出逢ってしまったんだよ」
黒桐「ロマンチックに言っても駄目です……」
式「あぁー……腹減った……」
(ドシドシ……)
黒桐「……式?」
橙子「いいから行ってやれ。放っておくと人でも食いかねんぞ、アレは」
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 20:03:57 ID:zKE0PS190
黒桐「……失礼します。あ、でも最後に……橙子さん?」
橙子「何だ?」
黒桐「この書類の……この使途不明金の欄についてなんですけど……」
橙子「何の事やら……」(すっとぼけ)
黒桐「……あの。今月はちゃんと、僕の給料は出ますよね?」
橙子「なあ、黒桐……何故金は、人の下を去っていくんだろうね……」
黒桐「使うからでしょう」
橙子「ふむ……出逢いがある以上、別れもまた必然……か」
黒桐「また変な事言って誤魔化そうとして……」
黒桐(……ん、給料日? 何か引っ掛かるな……)
橙子「ほれ、さっさと行ってやれ」
黒桐「? 分かりました……」
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 20:08:49 ID:zKE0PS190
―――――
式「いい、つまらないことコトだから。それよりメシだ。聞いたぞ、礼園事件の後、鮮花を赤坂の料亭に連れて行ったそうじゃないか」
黒桐「鮮花……」
式「不思議なことにさ、その料亭って前からオレが行きたかったところなんだよな。オレ、初めて鮮花に殺意をもっちゃったぞ」
黒桐「……仕方ない、覚悟は決めた。さ、どこでも連れてって―――」
黒桐(……あ)
式「……どうした?」
黒桐「……忘れてた」
黒桐「今月はまだ給料貰ってなくて……オケラなんだった……」
7: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 20:12:47 ID:zKE0PS190
式「……」
黒桐「ごめん、その話はまた来月にでも」
式「へぇ、鮮花は連れて行ったのにオレは駄目なのか幹也」
黒桐(あ……マズイ……。これは相当怒ってるな……)
式「ふぅん、どうしようかな。余計あいつが許せなくなっちゃったかな」クスリ
黒桐(こういう時、僕は―――)
1.「大した胸も無いくせに!」 開き直る。
>2.「許して、何でもするから!」 謝る。
9: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 20:18:47 ID:98GIkLTP0
続き?
103: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 09:29:30 ID:qJ1DNJlF0
多分>>9の
イチャイチャは…原作ゥ…(小声)
黒桐「…………」
黒桐「……でもかまわない。言ったろ、君の代わりに背負ってやるって」
式「……私は、人殺しなのに」
黒桐「……人殺しはいけない事だって言っただろ。なのに守れないなんて、君は愚か者だ」
黒桐「怒ってるから、泣いたって、だめだ」
式「……なんだ。泣いても許してくれないんだ」
黒桐「ああ、絶対に誤魔化されるもんか」
式「……」フ…
黒桐「―――」
黒桐「式。君を――― 一生、許さない」
自らの身を挺して二人をくっ付けた先輩はキューピッドだった…?
10: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 20:20:39 ID:zKE0PS190
>1.「大した胸も無いくせに!」 開き直る。
『大した胸も無いくせに!』
気が付いた時には、口からそんな言葉が出ていた。
式『……』
それを聞いた途端、式の瞳から「スッ」……と感情の色が消える。
黒桐『(あ……あれ……?)』
式『……』グググ…
そして……彼女は拳を振りかぶる独特のフォームを取り……
黒桐『え……ど、どうしたの式……? その、漢らしい体勢は……』
式『……』
スピード×体重×握力=……
11: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 20:25:30 ID:zKE0PS190
そのまま、拳を………………
黒桐『ちょ……』
式『―――――』
ド ゴ ォ ッ
…DEAD END
―――――
黒桐(……うん、却下、全力で却下。ここは謝るしかない……)
黒桐「ごめん、許して!」
式「……」
黒桐「お詫びに、何でもするから!」
はい、続きです
12: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 20:30:15 ID:zKE0PS190
式「ん?」ピクッ
式「幹也、今何でもするって言ったよね」
黒桐(……あれ? 何か……嫌な予感が……)
式「……じゃあ」
黒桐(……)
式「……」
式「いや、やっぱりいいや。別の機会にしよう」
黒桐「……え? あ……そう……?」
式「金持ってない今のおまえに何か言ったって仕方ない。……それより問題は『あいつ』だ」
式「そういえばおまえ、先月も給料が出ないって言ってなかったか?」
黒桐「うん……橙子さん、今月は先月分も纏めて払ってくれるって言ってたんだけどね……」
13: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 20:33:43 ID:zKE0PS190
式「……前から不思議に思ってたんだけど。おまえ、毎月どうやって生きてんの?」
黒桐「……本当、どうやって生きてるんだろう……?」
式「……」
式「まあ、ここで話してても埒が開かないし……行ってみるか」
黒桐「え?」
式「直談判だ。さ、トウコの所へ行くぞ」
―――――
式「―――という訳だ。おいトウコ、ちゃんと給料は払えよ」
橙子「……話を聞いてやりたいのは山々なんだが……今から用事がある。すまんな、また今度……」スタスタ
黒桐「……」
(がしっ……)
14: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 20:40:06 ID:zKE0PS190
橙子「むっ、何だこの手は。離せ黒桐」
黒桐「お給料をちゃんと払ってくれたら離します」
橙子「そうは言うがな、黒桐。私は今から冬木の聖杯戦争に参加する予定なんだ。ほら、そうしたら何かと物入りになってくるだろう?」
黒桐「馬鹿な事言ってないで早く払ってくださいよ! もう一月も支払いが遅れてるんですよ!?」
式「……」
「……あっ、そうだ。実を言うとな、さっきみせた聖杯の模造品もこのためにダークアマゾンから取り寄せたんだ」
「そんな事のために……!? ……って言うか、今思いついたでしょうその言い訳……」
「そう言うな。以前購入したウイジャ盤よりはよっぽど役に立つ代物だぞ。その分値も張ったがね」
「値が張るって……もう、冬木市に行くのは橙子さんの勝手ですけど、社長ならまず社員の給料から何とかしてください!」
橙子「ええい分からん奴だな。私は今からタタリ討伐の依頼で三咲町に行くと言っとろうが。余分な金など一銭も持っとらん!!」
黒桐「さっきと言ってる事が変わってるじゃないですか!?」
式「話が進まないな……幹也、おまえ先に出てろ」
15: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 20:45:27 ID:zKE0PS190
黒桐「え……?」
橙子「……」
式「―――オレが話をつける」
橙子「ほう……真打登場か」
式「……」
黒桐「式……あんまり物騒な事しちゃ駄目だよ……?」
橙子「よし、分かった。予定はキャンセルだ。……さ、今から女二人腹を割って話をするから、君は外に出ていろ、黒桐」
黒桐「……」
……十数分後……
(ガチャ……)
黒桐「……あ、どうだった?」
17: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 20:49:46 ID:zKE0PS190
式「―――――」
黒桐「……式?」
式「ん? ああ……」
黒桐(……どうしたんだろう? 心ここにあらず、って感じだけど……)
「黒桐、話は着いたからなー。社員はいつも通り各自で金銭を都合する事ー」
黒桐「げっ……またですか!?」
式「……疲れた。帰ろう、幹也」
黒桐「……? うん……」
式「……食い物は捜せば家にもあるから、今晩はそれで良いや」
18: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 20:56:21 ID:zKE0PS190
―――――
― 式のアパート ―
式「……」ダラーッ
黒桐「……」ペラッ
黒桐(うん……まあ、アイスも食べ物だよな。……冬にはあんまり食べる気しないけど……)
式「……」
(ぎゅっ……)
黒桐「……?」
式「今日は、泊まってけ……」
黒桐「……」
黒桐「……うん」
―――――
19: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 21:01:03 ID:zKE0PS190
……
………
…………
そして翌朝……
式「……」
黒桐「それじゃ、先行くから」
式「ああ……」
黒桐「……」チラッ
式「……」ゴクゴク…
黒桐「……」
(バタン……)
式「……」
20: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 21:07:18 ID:zKE0PS190
―――――
― 街・大通り ―
黒桐(さて……金銭は各自で都合しろって言われてもな……)
黒桐(学人には今月返す約束で先月借りちゃってるし……まさか二月連続で未払いなんて……)
黒桐「どうするかな……これは……」
「―――あれ?キミは……もしかして……」
黒桐「え?」
白純「あぁ、やっぱり。久しぶり。三年ぶりかな、黒桐くん」
黒桐「白純……先輩……?」
―――――
21: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 21:14:41 ID:zKE0PS190
― 黒桐家 ―
(……ピンポーン)
「鮮花ちゃーん。お友達が来てるわよー」
鮮花「? はーい、今出ます」
(バタバタ……)
鮮花(……友達? わたしが今、黒桐の家に帰省中なのを知ってるとなると……あぁ、藤乃かな)
(ガチャ)
鮮花「藤乃ー! お・待・た・せーーー!!!」
式「……」
鮮花「……げっ」
22: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 21:22:10 ID:zKE0PS190
式「前から思ってたんだけどさ……」
式「おまえって、挨拶の時はいつも声デカイよな」
鮮花「両儀……式……」
式「よう、おはよう鮮花。いるとは思ってたんだ、なんとなく」
鮮花「式……あんた、朝っぱらから何の用よ……」
式「……」
鮮花「私はこれから橙子さんの所に用事があるんだけど」
式「そのトウコから伝言だ。トウコの奴、今日は急に予定が入ったとか何とかで、あそこに居ないんだとさ」
鮮花「……うぇっ」
23: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 21:29:49 ID:zKE0PS190
式「しかし……お前もよく約束をすっぽかされるよな……」
鮮花「ええ……それを伝えに来るのも毎回あなたですけどね……。で、何の用」
式「ん……ああ、ちょっと鮮花に……頼みがあってさ……」
鮮花「……頼み?」
式「ああ。忙しいんなら、別に良いけど……」
鮮花「……」
鮮花(何だろう……こんなしおらしい態度の式、初めて見る……)
式「……」
鮮花「……」
25: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 21:38:10 ID:zKE0PS190
(きい……)
鮮花「……入って」
式「……」
鮮花「話は聞くだけ聞いてあげます。……いいよ、上がって」
式「……ありがとう」
―――――
白純「それにしても……昔から変わらないね、キミは」
黒桐「先輩も、お変わり無いようで」
白純「そうかな。……ところで黒桐くん、これから学校? やっぱり進学したのかい?」
黒桐「あ、いえ……大学は、六月に辞めまして……」
白純「あっ、ふーん……。じゃあもう働いてるんだ」
27: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 21:47:11 ID:zKE0PS190
黒桐「ええ……でも今日は、仕事休みなんです」
白純「そうなんだ……」
黒桐(まさか……どうやってお金を無心するかを考えて、街をブラブラしてるだけ……なんて言えないよな……)
白純「まあ、立ち話もなんだし……どこか入ろうか?」
黒桐「はい……」
―――――
― アーネンエルベ ―
店員「ご注文はお決まりでしょうか」
白純「じゃあ……アイスティーを一つ」
黒桐「コーヒー、ホットをお願いします」
店員「かしこまり」スタスタ
29: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 21:58:25 ID:zKE0PS190
黒桐「朝からやってたんですね、ここ」
白純「……」
黒桐「……先輩?」
白純「ここの従業員の制服ってさ……結構、可愛いよなぁ……はぁはぁ……☆」
黒桐「へ?」
―――
― 鮮花の部屋 ―
鮮花「さて……これで誰に聞かれる心配も無いわよ」
式「……」
本当に何でだろう…
30: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 22:07:14 ID:zKE0PS190
鮮花「さあ、話してみなさい」
式「うん……まあ、そんなに大した事でもないんだけど……」
式「なあ鮮花…”BL”って知ってるか?」
鮮花「へ…?」
その日、運命に出会う。
―――
白純「へぇ、それは……大変だね、毎日」
黒桐『気が付くと……僕は、先月から給料の支払いが滞っている事を、先輩に話していた』
白純「建設業の相場って良く分からないけど……キミって毎月幾ら位貰えてるの?」
黒桐「……」
黒桐「自給に換算すると……大体、八百円位ですね……」
白純「それで一人暮らしとなると……小遣い程度にしかなんないね」
32: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 22:15:01 ID:zKE0PS190
黒桐「あ……はは……」
白純「それも……先月から貰えてない訳でしょ?」
黒桐「……ええ」
白純(……)
白純「黒桐くん……今さ、簡単な仕事あるんだけど……」
黒桐「え?」
白純「すごく良い仕事なんだ。やってみるかい?」
黒桐「……良いんですか?」
白純「ああ、勿論。紹介してやるよ」
黒桐「―――!」パァッ
白純「丁度今からなんだ。行けるかい?」
黒桐「はい!」
33: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 22:22:02 ID:ojQgmfTm0
織の方が好み
34: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 22:22:35 ID:zKE0PS190
白純「よし、じゃあ行こうぜ」
―――――
式「ん……知らないのか?」
鮮花「何それ……何かの略称?」
式「……おかしいな。トウコの奴、おまえに訊けば分かるって言ったのに」
鮮花「……橙子さんが?」
―――――
白純「歩いてちょっとの所だから……すぐに着くよ」
黒桐「はい」
―――――
鮮花「もしかして……それって、少年愛の事……?」
式「何だ、やっぱり知ってるじゃないか」
鮮花「そりゃ……知ってると言えば知ってるけど……」
36: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 22:30:05 ID:zKE0PS190
式「なら話は早い。さ、早くその少年愛とやらについて教えてくれ」
鮮花「待った。その前に、こっちからも一つ質問があります」
式「おい、質問したのはこっちが先だぜ? ……なんだ」
鮮花「……じゃあ、訊くけど」
鮮花「あんた、どういう流れから橙子さんとその話になったの?」
―――――
白純「ここ」
黒桐「……」
黒桐(ホテル”パビリオン”……ラブホテルか)
白純「大丈夫、心配する事は無い。すごい簡単だから」
黒桐(……清掃か何かかな?)
―――――
式「はぁ……まあ良いや。白状するとな、話の発端はおまえの『兄さん』だ」
鮮花「……幹也が?」
37: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 22:37:19 ID:zKE0PS190
式「ああ、こないだの給料日、コクトーに飯を奢らせに行ったんだ。―――赤坂の料亭にな」
鮮花「……!!」
―――――
― ホテル・個室 ―
白純「じゃあ、ちょっとここで待っててくれ。準備してくるから」
黒桐「はい」
黒桐(わざわざ個室まで取ってもらって……良いのかなぁ……)
白純(……)
―――――
式「……ところがだ。結局その料亭には行けなかった」
鮮花「……え?」
式「……今月給料出なかったんだよ、あいつ」
鮮花(……またですか? 橙子師……)
38: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 22:43:53 ID:zKE0PS190
―――――
白純「お待たせ! とりあえず飲み物を持ってきたよ」
黒桐「あっ、ありがとうございます」
白純「これから一杯汗をかくだろうから……しっかり水分は取っておいた方が良いよ」
黒桐「そうですね……」
黒桐「……」ゴク…ゴク…
白純「……」ギラッ
―――――
式「……まあ、その辺は置いといて……とにかく、その後トウコの所に話を付けに行ったんだけど……」
―――――
黒桐「それで先輩、仕事って……」
白純「ああ、本当に割が良いんだ。何と30分で……5万!」
39: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 22:49:34 ID:JOaJvRvx0
30分で5万・・・白純さんは先輩の鑑ですね(すっとぼけ)
40: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 22:50:21 ID:9msNhdny0
これはいいSS
41: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 22:51:07 ID:zKE0PS190
黒桐「30分で……5万!? はぁ……すっごい……」
後輩に割りの良いバイトを紹介してくれるSRZM先輩は先輩の鑑
――――ー
式「で、最初は幹也の給料の話だったんだけど……段々話が逸れてって……」
鮮花(橙子師得意の話術か……)
式「何でも……その”BL”とか言うのが、コクトーと深い関係が有るそうなんだけど。結局何なんだ、それって?」
鮮花「まあ……簡単に言えば、少女漫画のジャンルの一種ね……」
式「……は? 漫画……? 何だ鮮花、おまえそんなのに詳しいのか」
鮮花「一応知識として少し齧っただけよ。……そうだ、口で言うより実物を見る方が早いわね」
―――――
42: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 22:59:43 ID:zKE0PS190
白純「この部屋で着替えるんだよ」
黒桐「はい」
(ガチャ……)
白純「よし、じゃあ早速入って」
黒桐「失礼し、ま……」
(フラッ……)
白純「おっ……」ガシッ
白純「大丈夫かい?」
黒桐(あれ……立ち眩みかな……)
白純「ま、とにかく入って……」
――――ー
鮮花「―――はい、これ」
式「……」
鮮花「所謂少年愛物と呼ばれるジャンルの、代表的な奴を何冊か持ってきたから……試しに読んでみたら?」
44: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 23:05:56 ID:zKE0PS190
式「漫画は読まないんだけどな……まあ、鮮花が持ってきた奴だから……」
(ペラッ……)
……知識として齧っただけなのに、何故何冊も持っているんだろう?
式は少しだけそう思った。
―――――
白純「じゃ……少し脱いでみて」
黒桐「はい……」
(するする……)
白純「おぉ……良い身体してんねぇ……」
黒桐「……」
質素な生活と、雑用という名の肉体労働で作られた身体だった。
―――――
式「……」パタン
鮮花「分かった? まあ、大まかにはそんな感じね」
式「ん……まあその、ボーイズラブ……とやらについては分かったけどさ。腑に落ちない所がある」
45: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 23:06:39 ID:JOaJvRvx0
齧っただけと言いながら糞ホモ本を免疫0の相手にさらっと渡す鮮花は人間の屑
46: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 23:09:59 ID:TAADDpdh0
鮮花は可愛い
47: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 23:10:44 ID:9msNhdny0
鮮花みたいな妹欲しい
48: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 23:14:17 ID:zKE0PS190
鮮花「……」
式「これ、あいつと何の関係があるんだ? ……鮮花、知らないか」
―――――
黒桐「……」ボー…
白純(……まだ効いてこないか。耐性でもあるのかな……?)
黒桐「……」
黒桐「……」フラッ…
白純「! ――黒桐くん、キミもしかして少しお疲れかい?」
黒桐「え……ああ、はい……少し……」
白純「仕事が始まるまで少し時間があるから……休んでいて良いよ」
黒桐「そうですか……? すみません、じゃあ少し……」パタ…
白純「……」
白純「……」ニヤリ…
49: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 23:22:05 ID:zKE0PS190
―――――
鮮花(……わたしにしか分からない事。幹也……BL……少年愛……)
鮮花「……!」キュピピン!
先輩が疲労した幹也を介抱していた頃……鮮花は、ある仮説を思い付く。
それは……
鮮花「……ねぇ、それより式。私からも、あんたに訊きたい事があるんだけど……」
式「今度は何だ?」
鮮花「うん……幹也ね……最近、何か変わった事言ってなかった?」
式「変わった事……?」
鮮花「……もしかしたら、年下とか後輩についての話かもしれない」
式「後輩ね……ああ、そう言えば」
鮮花「……」
……
………
…………
50: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 23:29:46 ID:zKE0PS190
『今、若者達の間で流行するドラッグ……その実態に迫る』
黒桐「……」
式「へぇ……最近こんなのが流行ってるんだ」
黒桐「うん……聞いた話だと、最近は高校生位でも普通に買えちゃうそうだね。……別に買える必要も無いけど」
式「ふぅん?」
黒桐「学人によると、高校の後輩達の間でも……所謂シャブ中になってる子が急激に増えてるらしいし」
式「そうだったのか?」←現役高校生
黒桐「式も『ヤってる』人を見かけたら気を付けてね……トリップ中の人間って、何をするか分からないから」
式「ああ、気を付けるよ」
…………
………
……
51: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 23:38:10 ID:zKE0PS190
式「この前あいつ、後輩が『シャブった』だの『シャブられた』だの言ってたような……」←うろ覚え
鮮花「……!」デデドン!
ほんの些細な誤解は……いつしか、小さな疑惑を確信へと変える。
鮮花(ここまで証拠が揃っちゃ仕方が無い……認めたくなんか、ないけど……)
式「……?」
鮮花「まさか……」
そして……鮮花はとんでもない結論へ思い至る―――
鮮花「まさか幹也が……同性愛者、だったなんて……」
式「……………………は?」
……
………
…………
52: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 23:46:40 ID:zKE0PS190
たとえば雨の日。少年が、道の端に屈み込んでいたとする。
そう言う時、幹也なら―――
黒桐『お腹、痛いの?』
少年『え……?』
と声をかけるだろう。それどころか……
黒桐「今晩だけ、僕の所に来る?」
少年「……良いんですか?」
……何て言うかも知れない。
黒桐「一人暮らしだから問題はないけど、保証はしないよ。一応その気はないけど、変な偶然が起きてこっちがその気になっちゃうかもしれない。これでも健康な成人男子だから、そのあたりは考慮に入れてくれ」
それで……
53: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 23:52:57 ID:zKE0PS190
気が付けば……
(ぎし……ぎし……)
『あっ……やっ……』
『……』
『……せん……ぱいっ……!』
なんて事が……無いとは言い切れない……。
…………
………
……
(以上、妄想、終わり)
鮮花「……うわお」
式「おい……鮮花。お前、頭どうにかしちまったのか?」
54: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 23:54:16 ID:RCxtujTk0
なんでらっきょss書く人は素直に幹也と式のいちゃいちゃを書いてくれないの(´・ω・`)
55: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/30 23:59:40 ID:zKE0PS190
しかし……鮮花の言葉は止まる事無く、式を追い詰める―――
鮮花「最後まで聞きなさい。―――あんたは知らないだろうけど、私は前に幹也から聞いたのよ……」
式「……」
鮮花「幹也は……あんたが織でも、多分自分は好きだったって……」
式「……っ!」
その鮮花の言葉に釣られ、やがて式も……
鮮花「……じゃあ、率直に質問するわね、式」
鮮花「―――これまで黒桐幹也(あに)は、両儀式(あなた)を抱いた事が一度でもあって?」
式「―――」
書き飽きて…(小声)
58: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 00:06:34 ID:qJ1DNJlF0
少しずつ、疑惑の種が……植え付けられていく。
式「……オレの事はどうでもいい。それより……あいつが、ゲイって……」
式「何か、確証でもあるのか?」
鮮花「そんな物無いけど……これは、妹の勘よ」
鮮花「十中八九……黒だよ、真っ黒ォ!」
式「……」
鮮花「……」
黒桐鮮花。起源―――『禁忌』。
少しばかり、おかしな方向に物を考える癖があった。……というかそっち好きの人だった。
確かに他にらっきょSS書いてる人あんまり見ないね
いっつもgdるしホモになるし書き溜め尽きたし…
59: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 00:10:51 ID:VB4rVN9q0
腐豚レベルのガチキモホモじゃなくて草の生えるホモSSは支持されるんだよなぁ
読んでるから続けて、どうぞ
60: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 00:15:25 ID:qJ1DNJlF0
鮮花が何とも強引な結論を出していた頃……幹也と先輩は……
黒桐「……」
???「……」ハァ…ハァ…
(さわ……さわ……)
黒桐「……んっ……」ピクッ
???「……」ハァ…ハァ…
(するする……)
黒桐「……」
???「……」
黒桐(ん…………)
しかしホモSSは落ちる(断言)
61: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 00:20:02 ID:bG8v9Rb50
やっぱりSRZM先輩はオチ担当にしよう(提案)
62: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 00:25:17 ID:qJ1DNJlF0
遅かった…(絶望)
黒桐(………………)
黒桐(あれ…………ここ、どこだろう……。……暗くて分からないや)
???「……」ハァ…ハァ…
黒桐(……? 誰かが……上に跨ってる……? 誰だろう……)
???「……」ハァ…ハァ…
黒桐(この女性らしいシルエット……この特徴的なショートカットは……もしかして……?)
黒桐「し……」
白純「……」ハァ…ハァ…
黒桐「先輩っ、何してるんですか!?」(驚愕)
63: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 00:32:38 ID:qJ1DNJlF0
白純「……、……」ハァ…ハァ…
(ぺろ……ぺろ……)
黒桐「ちょっ……止めて下さいよ本当に……っ!」ジタバタ…
白純「暴れるなよ……暴れんな……!! 五万円、欲しいだろ!?」
黒桐「……っ!」
疲れきった幹也にマッサージを施してあげるSRZM先輩は先輩の鑑
白純「……」
(さわさわ……)
黒桐「……っ、ちょっと本当にっ……」
白純「―――ッ」サッ
64: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 00:40:19 ID:qJ1DNJlF0
黒桐「えっ……?」
黒桐(こ、これは……!! 楽しみにしてたのに、結局見る事が出来なかった……礼園の制服姿の式!?)
後輩のちょっとした夢を叶えてあげるSRZM先輩はカメラマンの鑑。
白純「大人しくしろっ!! ばら撒くぞこの写真っ!!」
黒桐「えっ!?」
白純「……んっ……」
黒桐「むぐっ!?」
白純「……、……」
黒桐「……っ、う、うもう……!」
(ごくり……)
黒桐「……っ、……っ」
白純「……ふぅ。あんがい強情だな、キミって」
65: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 00:48:00 ID:qJ1DNJlF0
黒桐「……今のは?」
白純「大丈夫、心配する事は無い。今のはちょっとだけ自分に対して素直になれるクスリだよ」
黒桐「……」
黒桐(……麻薬か……。そういえば学生の時からそっち方面に詳しかったな、この人……)
黒桐「……どうして」
白純「?」
黒桐「どうして、こんな事をするんですか? 後五万円はちゃんと払ってもらえますよね?」
白純「ああ、うん。何でこんな事をするかって言うとね……これはもう君に言ったかな?」
白純「学生時代、キミが両儀さんを好いていた事は周知の事実だったけど……実は、ボクもそうだったんだ」
黒桐「え……?」
白純「けど、ボクは彼女の事でキミと争いたくなんかない。……だからさ、三人で一緒に仲良くなれる方法を考えたんだ」
黒桐「……」
スレタイが遠い…
68: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 00:58:01 ID:qJ1DNJlF0
白純「キミにはそのお手伝いをしてもらいたいんだけど……はは、キミって強情そうじゃない?」
白純「だからその為のお金……後、その為のクスリ……なんだ」
黒桐「……式に、何をするつもりですか」
白純「別に。ただ、彼女には本来在るべき場所に来てもらうだけだよ。その為にキミに手伝ってもらう報酬が、五万」
黒桐「……」
白純「―――ああ、やっぱり、キミには通常の十倍のクスリ程度じゃ効果が無かったか。なら仕方ない」
白純「連続投与は身体に悪いんだが……カラダ持ってくれよ? 更に三倍投与だ!!」
黒桐「!?」
白純「四倍だ!!!!」
黒桐「ファッ!?」
ここからどうやって普通のいちゃいちゃに持って行けと言うのですか…(疑問)
69: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 01:02:10 ID:6M+1gLWC0
お前が書いたもんだろ(困惑)
71: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 01:13:11 ID:qJ1DNJlF0
……
黒桐「……」グタッ…
白純「……意識を失ったか。なら、今の内だな……」
―――白純先輩の、熱い説得が始まる
黒桐「……」
白純「……黒桐くん。聞こえているか?すまないな、少し手荒な事をしてしまって……」
黒桐「……」
白純「キミは僕が両儀さんに何か危害を加えないか心配しているのだろうが……その点は安心してくれ」
白純「僕は、キミと両儀さんに害するような事を一切しない。誓っても良い」
黒桐「……」
白純先輩が出るといつもホモルートになる…困った…
72: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 01:25:02 ID:bG8v9Rb50
ここから織とのホモルートにするべき(提案)
73: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 01:25:56 ID:qJ1DNJlF0
白純「ボクを信じてくれ、幹也」
黒桐「……」
白純「他意はない……ボクはただ……」
白純「両儀さんにネコミミとか……尻尾とか付けて貰って……」
白純「ただ……「にゃー」ってネコの鳴き真似をして欲しい……ただそれだけなんだ……」
黒桐「……」ピクッ
白純(おっ……?)
黒桐「……」
白純「『お帰りにゃさいませ、ご主人様ぁ……』とか言って貰いたいよなぁ……」
黒桐「……」ピクッ…
白純(おお、やっぱり……)
74: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 01:36:00 ID:qJ1DNJlF0
幹也懐柔への……突破口が見えた―――!
白純(昔から真面目で……あまり色恋沙汰に興味が無いタイプだと思っていたが……)
黒桐「……」
白純(くく……尻尾を見せたな幹也……!)
白純「何だ……両儀さんのネコミミにそんなに興味があるのか?」
黒桐「……」
75: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 01:49:01 ID:qJ1DNJlF0
白純「ああ……ネコミミを付けるなら、やっぱり衣装はスク水じゃないとなぁ~……」
黒桐「……」ピクッ
白純「あれ……そう言えば両儀さんってまだ高校生だっけ?」
白純「凄いぞ幹也!」
白純「一体この日本に、現役女子高生にスク水(ネコミミ装備)を着てもらえる者が何人居ると言うのかあぁあぁあーーー!!!」
黒桐「……」ピクッ…ピクッ…
先輩の、魂を揺さぶる説得が……少しずつ……幹也に届いていく……
76: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 02:00:46 ID:qJ1DNJlF0
白純「高校生で思い出したが……そう言えば幹也。キミは学生時代、両儀さんは同じクラスだったな」
黒桐「……」
白純「やはり体育の時間は暇さえあれば両儀さんの方を見ていたんだろう?」
白純「否定するな! キミは見ていたんだ! 輝く太陽の下、真面目な振りをして両儀さんの肢体を眺めていたのだ!!」
白純「ボクは学年が違ったからな……だから残念だぜ! その場にいれば、絶対にキミと語り合った!!」
白純「『何でうちの高校はジャージなんだろうな……ブルマで良いじゃん』、なんてな!!」
白純「あと余談だが、体操服、スク水は学校指定の制服も合わせて、業界では『御三家』と呼ばれているらしいな」
白純「そんな事はどうでも良い!! とにかくキミは見ていたんだ! 彼女の方を!!」
77: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 02:15:29 ID:qJ1DNJlF0
そこで先輩は一旦口を閉じる。幹也からの反論は無い。
それはクスリが深く効いているからか。……それとも、今語った事が真実だからか。
黒桐「……」
白純「うん……やっぱりどんな男にも、多少はすけべぇな面があるという事か……」
勝手に納得する。
黒桐「……」
白純「―――だがな。安心しろ、幹也」
白純「キミは、それを恥じる必要など……ないっ!」
白純「体育の時に、好きな女子を見ない男なんて居ない!」
白純「たまに男をジーっと眺めている奴も居るが……それは例外だ。気にするな」
白純「君は正直だった! 男として当然の事をした! それを責める事が出来る奴なんて……いやしないさ」
78: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 02:28:24 ID:qJ1DNJlF0
白純「―――キミは自分に素直だった。それを誇って良い! 威張って良い!!」
白純「男はすべからくすけべぇだ!! だがそれを認めるか否かで、男の器は天と地の差を持つのだ!!!」
黒桐「……」ボーッ…
白純「……とまあ、真面目な話はこれ位にしておいて……」
白純「それにしても……両儀さんが仲間になった暁には、どんな衣装を着てもらおっかなぁ~☆」
黒桐「……」
白純「手堅く、制服、体操服、スク水の三段コンボでも決めとくかぁ~?!?!」
黒桐「……「ピクッ
白純「その後は……バニーさんにコンパニオンに、いやいや、レオタード姿も良いなぁ~」
黒桐「……」ピクッ
白純「いや! 待てよ待てよ待てよ! こ、ここは一つ……お色気全ぁ~い☆な衣装なんかも……はぁはぁ」
黒桐「……」ピクッピクッ
79: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 02:39:59 ID:qJ1DNJlF0
織は死んだ…もう居ない…
黒桐「……」ボソッ
白純「……ん? 何だって、幹也……」
黒桐「……」
黒桐「……先輩……。靴下は……残し……ましょう……」
白純「みっ、幹也ぁッ!!!」
(ガシィッ!!)
……熱い、抱擁だった。
白純「ボクは今……本当の意味で、キミと解り合えた気がするよ!!」
黒桐「……」
80: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 02:47:55 ID:qJ1DNJlF0
白純「キミがそこまで『分かっている』とは思わなかったよ……」
白純「ああ……全裸に靴下……さ、最高だぁ……☆」
黒桐「……」
誰もそこまで言っていないのだが、彼の中ではもうそういう事になっているらしい。
白純「全裸靴下の両儀さんを見る事を誓ったボク達は…」
白純「正に…そう!! ソウルブラザーだあぁあぁああぁッ!!!」
ただの馬鹿だった。
―――――
(回想、終わり)
81: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 03:07:00 ID:qJ1DNJlF0
黒桐(……先輩、あんなに熱い所がある人だったんだ……)
黒桐「……」
黒桐「……ここから先が、どうしても思い出せない……」
(ズキッ……)
黒桐(でもこの頭痛は……多分、飲み過ぎによる物だよな……。―――記憶飛ぶほど飲んだの、初めてだ)
式「……」
黒桐(しかし……何で式がここに居るんだろう? 僕が眠っている間に、一体何が……)
黒桐「……考えていてもしょうがない、か」
……
82: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 03:25:15 ID:qJ1DNJlF0
黒桐「―――式?」
式「……」
式「……」スゥ…
黒桐「……」ハァ…
黒桐(良かった……寝てるだけ……か……)
式「……」スゥスゥ…
黒桐「……式? 駄目だよ、床で寝たりなんかしちゃ。行儀悪いぞ」
式「……」パチ…
式「…………」
黒桐「…………」
式「―――ああ、生きてたんだ。おまえ」
黒桐「勝手に殺さないでくれよ。それより、一体何があったんだ?」
84: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 03:53:14 ID:qJ1DNJlF0
式「―――覚えて、ないのか?」
黒桐「残念ながらね……ここ半日位の記憶が丸々抜け落ちてるよ」
黒桐「さっきから頭痛が酷いし、胃から色々こみ上げてくるし、……何しでかしたんだろうな、僕は」
式「……」
黒桐「この部屋も見覚え無いし……どこか分かる?」
式「ここか? ……パビリオンとかいうホテルの一室だよ」
黒桐「パビリオン……? それって確か……」
―――――
白純『ここ』
黒桐『(ホテル”パビリオン”……ラブホテルか)』
―――――
式「……」
黒桐「……」
85: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 04:08:50 ID:qJ1DNJlF0
黒桐(……そんな……記憶にない、全然記憶に無いぞ……)
式「……」
黒桐「あ、あのー……式?」
式「なに」
黒桐「その……僕さ、昨日酔ってたのかしれないけど、ここに来てからの……いや、来るまでの記憶が全然無いんだけど……」
式「……」
黒桐「それで……えーと、単刀直入に聞くけど」
黒桐「……昨日の僕、君に何か変な事しなかった……?」
式「……」
式「ああ、したよ」
86: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 04:18:55 ID:qJ1DNJlF0
黒桐「……っ」ビク…
黒桐「た、例えば……どんな……?」
式「……」
式「……痛かったなぁ、あれは……」
黒桐「……っ」ビクッ…
式「止めてって言ったのに……何度も、何度も……」
黒桐「……、……っ」ビクビク…
式「痛くしないって、約束したのに……嘘つき……」
黒桐「―――――」
黒桐「……なんて、こと」
87: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 04:37:01 ID:qJ1DNJlF0
式「……」
黒桐(……おい、昨日の僕。いくら酔ってても……やって良い事と悪い事があるだろう……?)
式「……あれって本当に酔ってたのか? オレには素面に見えたんだけど」
黒桐「……」
式「それに……やけに手馴れてたしな、おまえ」
黒桐「…………」
式「人は見かけによらないって言うけど……ああ、今なら分かる」
黒桐「……………………」
黒桐「……ごめんなさい……」
式「……良いよ、もう……」
88: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 05:08:04 ID:qJ1DNJlF0
黒桐「……」
式「……」フゥ…
黒桐(ああ、そうだ……先輩、白純先輩はどうなってるんだろう……? 先輩にも起きてもらわないと……)
白純「……」
式「……ねえコクトー」
黒桐「ん……何かな?」
式「…………」
「白純を、殺したよ」
「……え?」
そろそろ終わるかな……
89: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 05:51:56 ID:qJ1DNJlF0
…………
………
……
白純(なあ……もう、止めようよ……)
式「―――ああ、そう言えば。おまえさっき何でも言う事聞くって言ったよな、幹也」
黒桐「……」
白純(ボクが悪かったって言うんなら、謝るよ……だから、もう……)
なあ、本当は自分でも分かってるんだろう……?
そんな事したって……後悔するだけだって。
そんなの、誰も得をしないじゃないか……。
白純(今ならまだ引っ込みが付く……だから―――)
式「じゃあさ……」
90: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 06:25:03 ID:qJ1DNJlF0
式「ここで……ワンワン鳴いてみてよ」
黒桐「……」
式「さっきは痛かったな……」ボソ…
黒桐「っ……」
式「止めてって、何度も言ったのに……」
黒桐「―――」
(ワン、ワン、ワン……)
式「ははは、上手い上手い! 流石コクトー、わんこくんの異名は伊達じゃないな?」
黒桐「……」
白純「……」
もうすぐ終わる。全部終わる。
…そう、コクトーのなく頃に。
92: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 06:48:44 ID:ai/t1nYj0
がんばれええーー
93: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 07:14:00 ID:qJ1DNJlF0
…………
―――どうして、こんなことになっちゃったんだろう。どこで変になっちゃったんだろう…。
ボクは彼らが大好きだったのに…どうして、…どうしてこんな恐ろしいことになってしまったんだろう…。
間違いはどこからだったのか。…何が間違いだったのか。いつからが間違いだったのか。
三年の前の七月……、両儀式に告白してフられた時か?
それとも……その夜、初めて人を殺してしまった時か?
それとも……その後、荒耶と戦わずに逃げ出した時か?
……………………。
白純(……でも、もう終わる……)
白純(三年前から続いてた…この残酷で無残で気の毒で悲しい、…この事件も、これで終わるんだ…)
式「……」
94: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 07:38:38 ID:qJ1DNJlF0
あ、でも……ボクを殺すというコトは……。
彼女は、一緒に自分も殺してしまうコトになるのか……。
白純「……」
白純(誰か)
誰か、ボクを殺した後でも…彼女の傍にいてあげてください。
これで彼女は罪を一つ背負うのだろうけど…どうか、一緒に背負ってあげてください。
それだけが…ボクの望みです…。
白純(ごめん、黒桐)
……
決着は、一瞬だった。
飛び掛る白純里緒の腕関節を瞬時に極め―――
そのまま、首筋の『点』に先ほど奪った注射で一刺し。
それでおしまい。
それだけで、白純里緒はその生命活動を停止させた。
95: 忍法帖【Lv=16,xxxPT】(1+0:15) 2013/03/31 07:48:16 ID:IABfcKQh0
ほ?
97: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 08:25:39 ID:qJ1DNJlF0
……
式「……」
黒桐「……」
何故殺したのか……なんて聞かない。
殺人の痛みを誰よりも知る彼女が、それでも人を殺したという事は、きっと相応の理由があるのだろう。
……訊ねかけたい欲求を、必死に押さえつける。
黒桐「……」
……気になってはいた。
あの小川マンショウの住人のリストに、彼の苗字を見つけた時から。
黒桐(それでも……)
白純『久しぶり。三年ぶりかな、黒桐くん』
それでも、貴方は三年前と全く同じだったから。
昔のままの、人のいい先輩のままだったから。
中々終わらないなぁ…
98: 忍法帖【Lv=16,xxxPT】(1+0:15) 2013/03/31 08:28:16 ID:IABfcKQh0
頑張れ!
101: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 08:53:47 ID:qJ1DNJlF0
だから……信じていたかったのか。
先輩は魔術師なんかと関係のない……普通の人のままなんだって
……その結果がこれだ。
もし……先輩と街で出会った時、速やかに彼を橙子さんの所に連れて行けば。
彼は死なずに済んだかもしれないのに。
――彼女は人を殺さないでいられたかもしれないのに。
黒桐(……何て、都合の良い幻想だろう。これじゃ、能天気と言われてもしょうがない)
式「これで、いろいろ無くしちまった」
黒桐「……」
1レス平均30分…?
102: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 09:01:52 ID:bG8v9Rb50
スレ立ててから約13時間
何時になったらイチャイチャになるのですか…(疑問)
105: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 09:55:05 ID:qJ1DNJlF0
こうして、事件は決着を見せた。
―――そして時は流れ……1999年、3月……
― 伽藍の堂 ―
橙子「……」フゥー…
(カツカツ……)
橙子「……ん?」
(ガチャ……)
橙子「……ああ、おまえか。良く来たな。まあ座れ」
式「……」
……
108: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 11:01:10 ID:qJ1DNJlF0
橙子「えーと、そう言えば君は、コーヒーには砂糖とミルクは入れないんだったな」
式「……? 何だ、コーヒー淹れてくれるのか?」
橙子「いや、聞いてみただけだ」
式「……」
橙子「ふむ……普段は何かと金、金うるさい従業員でも」
橙子「やはり一月も居ないとなるとそれはそれで寂しいものだな」
式「……」
終了で間際でさるさんとか嘘だろ…
110: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 11:22:41 ID:qJ1DNJlF0
橙子「……ほれ、淹れてやったぞ」スッ
式「……」スッ…
橙子「全く……あいつが居れば、私自らこんな手間を掛けないで済むというのに」
式「とか何とか言って……どうせ、これで今月は給料を払わなくて良いって、内心喜んでるんだろ?」
橙子「……はて、何の事やら」ズズ…(すっとぼけ)
式「……」ズズ
…………
橙子「ところで式。今日は見舞いに行かなくても良いのか」
111: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 11:43:35 ID:qJ1DNJlF0
式「―――今日は鮮花が居る日だ」
橙子「ああ、なるほど」
式「鮮花の奴……前に幹也の病室で鉢合わせた時に、躊躇無しでいきなり燃やしに来たんだぞ」
橙子「まあ……今回ばかりはしょうがないだろう。何せ……本当に死に掛けたんだろう? あいつ」
式「……」
橙子「聞いた話によると……通常の四十倍量の薬物を投与されたんだって?」
橙子「診た医者が何故生きてるのか不思議がってたって話だからな」
後ちょっとなのに……さるさん止めてくれよ……(絶望)
113: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 12:07:19 ID:qJ1DNJlF0
橙子「……ショックだったんだろうな」
橙子「黒桐がおまえの為にそこまで身体を張れた事が……少しあいつを神経質にさせているのかもしれん」
式「……」
橙子「全く……思えば今回の事件、私は全く蚊帳の外だった訳だな」
式「いや、そうでもないぞ」
橙子「ん?」
式「……元を辿れば、おまえが意味深にコクトーと”BL”に関係があるなんて言うから……」
橙子「それがどうかしたのか?」
SRZM先輩が出るSSが毎回落ちるのは何か因縁染みた物を感じる…
115: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 12:27:44 ID:qJ1DNJlF0
式「……だから」
式(あいつの事を……ゲイだなんて、少しでも疑っちゃったんじゃないか……)
橙子「……」
式「それに……鮮花も口では『齧る程度』って言いながら、アレにのめり込んでたし」
式「どうせ、あいつにアレを仕込んだのもおまえなんだろ?」
橙子「いや、本当に少年愛は私の専門外だよ。それは鮮花の方が詳しい」
式「……どうだか」
橙子「それにね、式。私の専門は、どっちかと言えば……」
橙子「―――女同士、の方でね……」
式「……」ゾクッ…
橙子「冗談だ。そう怯えるな」
式(……もうこいつの前では、不用意に着替えない)
116: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 12:45:40 ID:qJ1DNJlF0
橙子「……冗談だというのに。洒落が通じないね、おまえも」
式「……まあいい。おい、トウコ。今度からは支払いが惜しむ時、出まかせを言うのは止せ」
橙子「……出まかせ、とは?」
式「……だから。コクトーと”BL”に深い関係があるとか何とか」
橙子「? 別にそれは出まかせでも何でもないが」
式「……は?」
橙子「だから、コクトーに関係がある事だと言ってるだろう」
式「……往生際が悪いぞ。幹也はゲイでもなんでもない」
橙子「幹也……? あっ、そういう事か……」
118: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 13:01:19 ID:qJ1DNJlF0
橙子「ああ……なるほど。いや、これで疑問が解けた。そうか、そんな勘違いしてたのかおまえ……」ククク…
式「……何がだよ」
橙子「そうだな……君にとって”コクトー”と言えば、あいつを指す名前だものな。これは私の落ち度かもしれん」
式「……? あれってフランスの詩人の事だったのか」
橙子「そうじゃなくて……ああ、おまえはジルベール・コクトーなんて知らないか。風と木の詩という漫画の主人公なんだがな」
式「はぁ……?」
橙子「鮮花なら知ってると思ったんだがな……あいつもやはりコクトーというと兄を思い浮かべるか。可愛い奴らだな、おまえらは」
式「……」
橙子「しかし……あいつがゲイだなんて、全く想像力豊かというか何というか……」アハハハ
次で最後……
119: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 13:14:43 ID:bG8v9Rb50
永かったな……
鮮花「…やっぱり幹也ってゲイなのかな」式「さあな…」
3: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 13:57:13 ID:qJ1DNJlF0
確かに……二回バイさるで落ちたし
橙子「―――――」ゲラゲラ
式『……』グググ…
橙子「……あー、笑った笑った。 ……ん、どうした式? その漢らしいフォームは」
式「……」
スピード×体重×握力=……
橙子「あっ―――すまん、悪かった。ちょっと待ってくれ、痛いのは好きじゃないんだ。話し合……」
式「―――――」
ド ゴ オ ッ
式は照れ隠しに橙子さんを殴って終了…
4: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 14:02:49 ID:qJ1DNJlF0
やっぱりホモSSは落ちるんだと悟った…
前スレ何時間も保守すみません、二回も落としてごめんなさい
さるさんのタイミングが良すぎて笑った
5: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 14:14:56 ID:Y9whKjFL0
おつおつ
6: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 2013/03/31 14:28:33 ID:qJ1DNJlF0
半日も何してるんだろう…
SRZM先輩が出ると落ちるのは中途半端にホモ&シリアスになるからかな…
何回も落としてサーセン、らっきょSS増えないかな
引用元
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1364033579/
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1364640861/
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1364705557/
織とデートしたり式が男でも好きだと言って鮮花にガツンとやられたりしてる幹也さん。
あとお人好しすぎて大抵の人に好かれたりとか。あの湊啓太にだって懐かれてたという・・・。
つまり妙な誤解は幹也にも問題があると思うのだ。